【「ONEPEACE FILM RED」感想】"ウタの歌"に隠された本作の主題

こんにちは!暑い日が続いていますね…。

昨日8/6から全国で上映開始となりました「劇場版 ONEPEACE FILM RED」を早速初日に見てきましたので、後半にネタバレありで、思ったことを書いていきたいと思います!

映画ポスターと入場者特典「巻四十億 "RED"」(設定画たくさんで嬉しい)

あらすじ

モンキー・D・ルフィ率いる「麦わらの一味」は、かつて音楽の島と称されていた「エレジア」という島で開催される世界を席巻する歌姫・ウタのライブに足を運んでいた。

 

初めて人前で歌声を披露する場ということもあって、観客だけではなく世界が注目をしていた。そんな中、突如ステージにあがったルフィは「ウタがシャンクスの娘」と公言するのであった。

 

観客だけではなく世界が驚愕に包まれる中、ルフィとウタは一緒に過ごした幼少期の想い出話に花を咲かせていた。しかし、そんな朗らかな空気がウタの一言で一変する。

 

「ねぇルフィ、海賊やめなよ。」

 

"歌の力"で世界を変えると信じているウタの秘めた魂胆とは…?

 

本作のヒロイン・ウタのポスター(かわいい)

 

ここから下が鑑賞後の感想です!

感想

【ネタバレなしのうすーい感想】

<楽曲に関して>

まずは、今作注目の楽曲/歌唱シーンについて。

歌唱シーンは本当にウタのライブでした!ウタの歌唱パートを担当されたAdoさんの歌唱力に終始圧倒されていましたね。

全7曲、どれも良かったですが、個人的には「私は最強」「風のゆくえ」の2曲が好きでした。それぞれ、Mrs.Green Appleさん、秦基博さんの楽曲だったと鑑賞後に知った時は、納得でした。

(もともとどっちのアーティストも好きなので、ある意味当てた感じではあるかな)

 

これから鑑賞される方は、"どの曲が誰提供なのか"を知らずにいっても面白いかもしれないですね!ある意味先入観なしで音楽を聴けるので。

 

映画館はIMAX対応だったのですが、残念ながら「ジュラシックワールド」にシアターが取られていたため、通常回でしたが、それでもあの圧倒感…。タイミングが合えばIMAXでもう一回見たいなと思っています。

 

<本編の内容に関して>

前作「STAMPEDE(2019年)」や「STRONG WORLD(2009)」が好みだったのですが、今作はテイストが変わったな…という印象でした。

前出の2作では「悪役の出現→仲間を侮辱され激昂→ルフィが打ち勝つ」というパターンだったと思うのですが、この定説を覆してきたのが一番の驚きでした。

ただ、この定説から外れたからといって全く面白くなかったというわけではありません。詳細は後述しますが、ストーリーがしっかりしていたので、楽曲と共に楽しむことができました。

 

【ネタバレあり感想】

すごく簡単に言うと…

「自称"世界の救世主"として無差別殺人を企てた少女を"幼馴染と育ての親"が阻止する」

といった感じでしょうか。

 

まずはウタのバックグラウンド&映画の前日譚について、僕なりにまとめるとこんな感じです。

『ウタは幼少期の体験から海賊を恨んで育ってきました。さらにそれに輪をかけるようにして、海賊が世界中で罪のない人々を苦しめているという現実を知り、"海賊に対して"、そして"民を救わない海軍に対して"激しい憎悪を深めていきました。

そんな折、自分の歌(=ウタウタの実の能力)に世界を変える力があると知ったウタは、"海賊に支配された今の世界"を"誰も苦しまない・悲しまない世界"に変えるためため今回のライブを開催した。』

 

ウタウタの実には「聞いたものを精神世界に閉じ込め、歌い手が死ぬことで聴衆も道連れにすることができる」という能力が秘められており、今回のライブはこの能力を活かすことで世界をリセットするという目論見がありました。

 

要するに、「世界を変えるために多くの関係のない人々を巻き込んで集団自殺をしようとしたということです」。(ウタ恐ろしすぎる…)

 

日本で一番有名といっても過言ではない某カルト教団によるとある事件が鑑賞中頭をよぎりました(実際は無差別の殺戮だったので厳密には違いますけどね)。

今回は、"彼女の手段が歌・表現手法がアニメ"だからこそ柔らかく書かれているものの、内容はなかなかにシリアスだったと思います。「"自分含めた多数の死"を通じて世界を変えようとした」という点、結構考えさせられました。

先日の政治家の暗殺事件も然り、人は怒り・恨みに取り憑かれると「死」を解決手段の一つにしようとします。人類の歴史上、数多く繰り返されてきた解決手段ですが、言葉を持った生物として間違っていると思います。

ありきたりなことしか言えないですが、本作のテーマは「"死"では何も変えられない」と伝えたかったのかなと思っています。もちろん(歴史が示す通り)変化はありましたが、"変化のための死は正しい手段"という尾田さんなりの信念だったのかなと考えております。

 

今までの劇場版では「仲間に対する愛・絆」といった主題がメインで描かれてきたように思えていましたが、今回は上述のようなテーマ(※個人の推測)だったので驚いたのが事実です。今後は色々な社会的で強い信念を持ったテーマが描かれていくのかなぁ…と思うと、次回作も楽しみですね!

今までは3年おきくらいに制作されてきたので、次回は2025年かなと思っています。

 

作品の主題について以外だと、ルフィとシャンクスの共闘がカッコよかったです。ウタの計画を阻止する過程のことなのですが、作画が神です。そしてシャンクス相変わらずのイケボ…。

"作品のテーマどかどうでもいいんだよ!"という人でも、ウタの歌唱シーンや共闘の派手さだけでも十分映画館でみる価値があると思うので、ぜひ足を運んでみては…?

 

慣れない批評で拙い文章でしたが、最後まで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

特に主題に関しては、僕個人の感想のため、鑑賞された方々の感想はもちろん千差万別だと思います。色々な捉え方、考え方を知りたいので、良かったらコメント頂けたら幸いです。

 

それではまた何か思うことがあったら投稿します。

最後に、本作の超かっこいいメインビジュアルを添えて、締めたいと思います。

本作のメインビジュアル(ルフィとシャンクスの対比が素晴らしい)

 

2022/8/7 うめおにぎり